2026年度5月 月例会レポート

2026年5月12日(火)、広島イノベーションベース(HIB)は、iti SETOUCHI tovio(広島県福山市西町1-1-1)にて5月度月例会を開催しました。今回は福山での開催となり、県内各地から経営者が集まりました。
テーマは「お金の増やし方(サイコロジー・オブ・マネー)」。お金は知識ではなく思考で増えるという視点から、リスクの取り方や意思決定のクセを紐解く時間となりました。
■ ラーニング|お金の増やし方(サイコロジー・オブ・マネー)
【登壇者】
マスターキー・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役 竹増浩司氏
スタートアップの立ち上げからIPOまでを、現場から役員・COOまでの立場で経験。現在はマスターキー・アンド・カンパニー株式会社の代表として、経営支援と人材育成に取り組んでいます。ブランドバッグのシェアリングサービスを手がけるラクサス・テクノロジーズ株式会社でもCOOを務めています。

■ お金は知識ではなく「思考」で増える
冒頭で示されたのは、お金の増減を決めているのは知識の量ではなく、日々の意思決定のクセだという視点でした。同じ情報を見ていても、リスクをどう見積もるか、どこで決めてどこで待つかで結果は変わっていきます。竹増氏は、自身が関わってきた事業の資金調達や投資の判断を例に挙げながら、その土台になっている考え方を順に解きほぐしていきました。
■ 投資家が見ているのは、事業計画ではなく人
資金調達の場面で、投資家は何に魅力を感じて出資を決めるのか。この問いに対して竹増氏は、計画書の中身そのものではないと答えました。「この人ならなんとかするだろう」と思われるかどうかが分かれ目で、実際に「あなたなら」という言葉をかけられた経験を紹介しました。渡した資金を使い切ってでも前に進み、次につなげていく人だと感じてもらえるか。事業計画の精度よりも、そこに投資家は反応しているという話でした。

■ 数字を語るより、小さな成功事例で成長を描く
竹増氏は、事業計画を見せて数字を語ったことはないと振り返ります。代わりにしてきたのは、小さな成功事例をつくり、そこから会社がどう成長していくのかを分かりやすく描くことでした。投資部門の担当者に対して「今は投資しなくていい。1年後にはこれくらい成長しているので、その時に判断してほしい」と伝えた例も挙がりました。作り込んだ複雑な資料よりも、シンプルで伝わる形にすることを重視してきたといいます。
■ 人との関係を切らない
事業を続けるために必要なのはお金だけではなく、諦めずに続けること、そして人との関係を切らないことだと竹増氏は語りました。「合わないと感じた相手も、たまたまその時に調子が悪かっただけかもしれない。タイミングが合えばまた会う」と話し、一度離れた社員とも今は普通に連絡を取り合っていると振り返ります。長い時間をかけて積み上がった関係があるからこそ、新しく会社を立ち上げる時にも協力してくれる人が集まり、仕入れ先も含めて短期間で形になる。これを「複利」と表現し、年齢を重ねても何かを立ち上げられる感覚があると話しました。

■ 広げるのではなく、コアを尖らせる
事業が伸び悩むと、商品数を増やすなど横に広げたくなります。しかし竹増氏は、そこで問うべきは「自分のコアは何か」であり、むしろ削って尖らせるほど強くなると話しました。周囲から否定的な意見をもらうこともありますが、信頼している人の言葉以外は受け流すという向き合い方も示されました。
懇親会
講演のあとは同じ会場で懇親会を実施しました。乾杯の前には、会員のひとりがテレビ番組の収録に臨むことが報告され、会場全体で激励の乾杯となりました。福山と広島、それぞれの地域で挑戦する経営者が交わる時間になりました。
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